オーナーの「ひとり言」
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2013年度 全日本学生ボードセイリング選手権(インターカレッジ)が、
下記にて開催された。
日時 2013年11月15日(金)~11月18日(月)
主催 日本学生ボードセーリング連盟
公認 (財)日本セーリング連盟(承認番号申請中)
協力 JALプライベートリゾートオクマ、国頭漁業協同組合、沖縄ロジテム
場所 沖縄県国頭郡字奥間海岸沖
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いわゆる、学生のチャンピオンを決める大会である。
学生のチャンプを決める大会?・・・と、侮る事無かれ!
歴代のチャンプ達は、その後 オリンピックを目指す!登竜門である。
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大学生達にとって「インカレ個人戦」は、12月に開催される団体戦への布石。
彼等の口からは「団体戦が最終目標ですから・・・」と出るが、個人の成績の積み重ねが、
団体の成績である事を忘れてはならない。
今回、表彰台に上がった精鋭達が所属大学のエースということだろう。
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結果は、かんとりーはーばーチーム所属 板庇雄馬のインカレ2連覇となりました。
優勝した「板庇雄馬」の親として大会を振り返ってみたいと思います(笑)
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初日の天候は曇り・・・よって風は微中風。
出場88名(男子)の選手中でも最も重量級の息子には厳しいレース展開になるのは必至。
案の上、ツイキャスによる実況中継に名前は上がらず・・・ハラハラドキドキ。
1レース10位。2レース17位と出遅れた。
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やはり京大の八木、小松、石井。関学の小森、同志社の内園(敬称略)が上位に犇めく。
微風を得意とする関西学連勢の独壇場となった。
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大会初日に、重い十字架を背負う(カットレース17p+10p)
これは、WAVEでもレースでも息子の悪い癖である。が、これも必勝パターン?
と想わなければ見ていられない(笑)
3日間という開催日程なので、初日は3レース?と思っていたら・・・
昼食を挟み、なんと3レース&4レースと続けざまにレースがスタートした。
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「前年度覇者、初日にして優勝圏外へ消え去る・・・」
私は自宅の窓から、遠く琵琶湖を眺め「諦めモード」で3レースのスタートを待った。
3レーススタート!たどたどしいツイキャスにエールを送りながら、ライブの恩恵に浸った。
3レース目のフィニッシュ!確かに、1位 51-11とコールがあった。えっ1位!?
まぐれか?奇跡か?(笑) 優勝圏内に首の皮1枚で繋がってる感じ。
4レース目も微風。それでも2位でゴール!波乱の初日を何とか持ち応えた。
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大会初日の暫定リザルト。
トップの京大 八木は6p。2位 同志社 内園 11p、3位 京大 小松 12p、4位 京大 石井 13pと接戦。
板庇雄馬は13pで5位、初日後半の踏ん張りが効いている。
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そして大会2日目は、予報通りの吹きレース!
北東6m~9mのガスティー&シフティー。上マーク付近は島のブランケに設置され、艇速だけでなく
風を読む力、ウインド力が問われるタフなレースとなりそうだ。
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ここで感謝したいのは、急遽ツイキャスを任された琉球大学OB 渡部君の登場である。
彼は2011年度の同じ場所で開催されたインカレで2位に入賞している沖縄スペシャリストであり、
優秀な解説者だった。
琉球大学出身であるにも拘らず、えこひいき無し!個人的感情無し!公平公正!視聴者を引き込む
レース展開の読みは素晴らしいものだった。その場で実際に見ている臨場感を味わう事が出来た。
ありがとう!ご苦労様でした!来年も頼むよ!
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2日目は3レースを予定。スタート前の緊張感が伝わってくる。
吹きと言えば、立命館の板庇!の他、 関東学院の倉持&伊東の1年生コンビ、明治の工藤、立命館の栗田
阪大 佐藤。ざっと浮かぶだけでも凄いメンバーだらけ。
簡単には「1上」&フィニッシュを獲らせては貰えない。
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右のブローを繋ぐ者、左へ伸ばし艇速勝負する者・・・それぞれの考え方で走る。
答えは無いのだ。最後に、トップでゴールした者が正解なのだ。
そんな状況の中、板庇雄馬は、2日目の3レース 3本ともトップフィニッシュ!
それも後続を引き離しての、ダンダンピン(京大BBS風にいうと)(笑)
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「吹きの板庇!」を見せつける格好となった。この時点で首位に躍り出た!
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インカレ最終日。いくつもの天気予報は、みなバラバラ・・・ 中風予報だったり強風だったり。
レース運営人も不安定な天気を鑑み、もしやの強風に備えて、女子からスタート。
1本レースが終わっても浜に帰らない、BACK to BACKの2本連続で今年のインカレチャンプを決めよう!
という趣向。リザルト 上位陣の得意風速にハマれば大逆転も可能だ!
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ここで女子のレースにも触れておきたい。
同志社 堀野が、3日目 2レースを残し 14p(CUT10)。6pのアドバンテージだが・・・
横市 五十嵐が20p(CUT9)、横国 須田が25p(CUT8)と目を離せない状況。
同志社 堀野は、我が子のような存在(笑)。昨年優勝の吉本の熱いハートを継ぐ同志社のエースだ。
出発前に「初日からチャージ!首位に立ったら自分のレースを!」とアドバイスをしていた。
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2日目、 吹きの五十嵐が追い上げる中、1位・4位・2位と首位を守った。
言っておくが、決して崩れている訳ではない!(五十嵐も2日目、4・2・1位と同pである)
堂々と初日から首位を張っているのだ。
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さぁ、3日目!残り2レース!
受けて立つ堀野!喰らい付く五十嵐! 見ていて(聞いていて)、心臓がバクバクした。
結果は、最終同ポイントまでもつれ、CUT差で横市 五十嵐が優勝となった。
堀野は「オクマの魔物」に飲み込まれた。男子も波乱の予感である・・・
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さて、男子!最終2レースを残して優勝争いは・・・
立命 板庇 16p(CUT17)、京大 小松 33p(CUT15)、関学 小森 35p(CUT21)の、ほぼ3人に絞られた。
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スタート前・・・風は小森&小松の得意風速!板庇の心境は、如何に!?
スタートシークエンス、上有利のポジションから1分前に下有利に振れ変わり、波乱が起きる。
長めに取られたスタートラインでは、ちょうど下へ移行していた小松がジャストのスタート!
終始、他艇を寄せ付けず、京大 小松トップフィニッシュ!優勝争いに喰い下がる。
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板庇は5位、小森は6位。「やられた・・・小松が来た!小松の風だ!」
WAVEと違い、レースではスタート前に冷静な判断が必要になる。
8レースまで、板庇16+5=21p、小松 33+1=34p、小森 35+6=41p。
板庇は、最終CUTレースを走ったとして、21+17=38p。もう小森には絶対負けない。
ターゲット艇は、京大 小松 ただ一人!その差15p。
板庇が 38p、小松が4位で 38pなら女子の悲劇の再来。CUTレース差で敗者に陥落する。
頭の中がぐるぐる回るが・・・最終レース、京大 小松に勝つか!13位以内でゴールするか!
負けても小松が5位以下なら、板庇雄馬の二連覇達成となる計算だ。
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さて、この判断が8レース終了直ぐの+緊張Maxの+風速8mの中で出来ているだろうか?
当然、小松は京都大学の頭脳を持って計算出来ている筈だ(笑)
オクマの風神よ!勇者達に味方せよ!
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最終9レースがスタートした!
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風向風速は、8レースと同じ。上マーク付近は相変わらずガスティーであった。
1上の速報が流れる。46-11、12-12、87-1、12-9・・・・
優勝争いの2艇が、なかなか現れない!お互いCutレース順位(20位)付近でやっと現れた。
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その時に確信した「板庇雄馬は完全にレーサーである」と・・・
レースの駆け引きを計算し「今自分は何をしなければならないか?」が分かっている。
ターゲット艇を抑えて走る!このレースは、それだけなのである。
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話はズレるが、ここで立命館 板庇と京大 小松の関係について話した方が良いだろう。
日本一大きな湖である琵琶湖で、偶然にも隣の浜で練習し、練習日には沖合でお互いの練習を
意識し合っている所属大学の主将同志である。ガチなライバルなのである。
しかし、プライベートでは、二人で映画に行ったり、小松が板庇を絵画に描いて贈ってくれたり
と仲の良い親友なのである。
その二人が、同じ目標を目指し、同じステージで全力を出し切って戦っている。
こんな美しい姿をリアルタイムで見る事が出来て、本当に幸せだった!
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小松は、板庇のペースにハマっている!このプレッシャーが今まで蓄えてきたアドバンテージなのだ。
ツイキャスの船はフィニッシュを撮りにゴール付近へ移動する。
もう5分もすればトップ艇がゴールするだろう。優勝は板庇か?小松か?
20位から、4位へのジャンプアップなど考えられない。お互いCUTレースでの終焉・・・そう思っていた。
ところが、板庇がシングル9位で帰ってきた!小松も12位でゴールした。
お互い、駆け引きだけでなく最終レースでも実力を出し切ったのだ!
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この時点で、立命館 板庇雄馬のインカレ2連覇が決まった。
後に知ったが、ゴール手前100mで二人の接触があったらしい。それほど激戦だったのだ。
そのプロテスト回避で順位を3位まで落としてしまった 京大 小松。
しかし、彼には悔いはないだろう!(そうであって欲しい)
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2013年度の日本一を決める熱い大会も終わった。
1ヶ月後には団体戦が開催される。もう一度、感動を味わえると思うと嬉しくなる。
学生達の想い、個人の全力を目の当たりにして、心洗われた。
そして、今まで以上に学連を応援したい気持ちで一杯になった!
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これからも「かんとりーはーばー」は、学連セイラ―を応援して行きます!
皆さんも、若者達の活動を応援よろしくお願い致します!